婚約指輪の歴史は結婚指輪よりも古く、紀元前から紀元後にかけてのローマ時代から存在しました。当時全世界に巨大な勢力をもっていたローマ帝国において、結婚相手の女性に鉄の婚約指輪が贈られていました。鉄は強さ、リング(輪)は永遠を表していたのです。紀元後2世紀になると、権力と財産の象徴であるゴールドが用いられるようになり、石をあしらったものが主流になりました。中世のヨーロッパでは、貴族などの富裕な人々が宝石を収集し、婚約の際に指輪に加工して女性に贈ったとされています。
860年に結婚を神聖視していた教皇ニコラス一世が「婚約発表には婚約指輪が必要」という命令を出しました。その内容は、夫となるものは経済的犠牲を払うような婚約指輪を贈らなければならない、というもの。多少無理をしてでも、高価な指輪を婚約者に贈るという伝統はこうして始まりました。
19世紀中期には、婚約指輪の主流はゴールドからシルバーに変わります。カトリック教会の方針で結婚の神聖性と処女性が強調されるようになり、ウェディングドレスも、色ものから純白になりました。それに合わせてエンゲージリング(婚約指輪)、マリッジリング(結婚指輪)ともゴールドよりもシルバーが好まれるようになったのです。
19世紀末にプラチナがヨーロッパ、アメリカで装飾品に使われるようになるとシルバーのようの変色することもなく白さを保ち続けるプラチナは、永遠の純潔の象徴として「天国の貴金属」と呼ばれ、20世紀に入ると婚約指輪・結婚指輪として最もふさわしいともてはやされるようになりました。
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